年間1500回に及ぶ神宮の恒例のお祭りの中でも、最も重要なお祭りが神嘗祭です。
神嘗祭は、その年に収穫された新穀を最初に天照大御神にささげて、御恵みに感謝するお祭りで、由貴大御饌と奉幣を中心として、興玉神祭、御卜、御神楽などの諸祭を行います。 神宮の年間の祭典は神嘗祭を中心に行われているといっても過言ではありません。
10月15日の興玉神祭から始まり、続いて御卜が行われます。御卜は祭主以下の神職が神嘗祭の奉仕に適うかをお伺いする儀式です。
翌16日、皇大神宮で午後10時に由貴夕大御饌、17日午前2時に由貴朝大御饌が行われます。由貴大御饌とは清浄で立派な食事という意味で、海川山野のお供え物を取り揃え、神田で収穫された新米を玄米のまま蒸して土器に盛り、御餅をつき、白酒黒酒のお酒を醸してお供えします。
17日の正午には、天皇陛下が遣わされた 勅使が幣帛をご奉納になる奉幣が行われ、同日天皇は皇居の神嘉殿にて皇大神宮を御遙拝になられます。最後に夕刻、御祭神を和めるために御神楽が行われます。
神嘗祭は、諸神に先立ち収穫の感謝を天照大御神に捧げ、翌11月に天皇陛下は新嘗祭を行われて天神地祇すべての神々に収穫を感謝されるのです。
たなつもの 百の木草も
天照す
日の大神の 恵み得てこそ
本居宣長『玉鉾百首』より
