やまとたけるのみこと

 

涼恵 - 中今

 

 

 

 

川上梟帥は親族をたくさん集め宴を開こうとしていた。日本武尊は髪を解き童女変身しその時を伺った。剣を隠し持ち宴会室に入り、女たちの中に混じった。

◆ 「阿蘇ピンク石」 ~海を渡った棺~ (23) | かむながらのみち ~天地悠久~

 

 

周到に変身して潜入する姿はまさにロイド・フォージャーのようです。

 

 

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伊吹山の麓で、牛のように大きな真っ白な猪と出会われました。 家臣のものたちも、あまりの巨大な猪に驚いています。 「皇子さま。これは?! なんと大きな! 討ち取りますか?」  そのとき倭建命さまは、こう“言挙げ(ことあげ)”をされます。 「いや、この白猪は、伊吹山の神の使いであろう。まあ、今は殺さずともよい。山の神を討ったあと、還りにでも殺せばよい」 ご自分で決心をされて、皆にハッキリと口に出して宣言されます “言挙げ”とは、自己の意志を強く言い立てることで、古から、禁句、タブーとされていました。  “言挙げ”をされて、いよいよ、伊吹山へと登り始めます。

伊吹山の神の怒り 倭建命様其の四〇 ことの葉綴り五六八|ことの葉綴り

 

 

東国の勇敢な神や人々を下した倭建命ですが、都へ帰る途中、伊吹山の神を討ちに行き、逆に大氷雨を浴びせられます。倭建命は瀕死の体で都を目指しますが、ついに能煩野(のぼの=三重県)で力尽きました。  

 

倭(やまと)は 国のまほろば 

たたなづく

青垣 山隠(ごも)れる 倭しうる

 

──倭は、国の中でもっともすばらしい場所だ。青々とした垣根のように重なりあった山々が取り囲む、うるわしき我がふるさとよ。  胸にあるのは、望郷の想いか、父への無念か。その最期に数首の歌をよみ終えた倭建命は、能煩野の地で短い命を終えました。哀しき勇者の魂は、大きな白い鳥となって空を駆け上がり、西方へ飛び立ったといいます。

第9話 「悲しき勇者・ヤマトタケルノミコト」|なら記紀・万葉

 

 

 

天下布武の雛形のような、少年誌を彩る主人公のような、かっこいい性格の神さまです。

 

言挙げのくだりは、後世の子孫への戒めとして敢えて遺された事蹟とも解釈できます。

 

わが国日本は言挙げをせぬお国柄。それは言霊が諸刃の刃であることをよくよく理解しているからだとも言えます。軽々しく口にした言葉がのちのちとんでもなく巨大な影響力を以て帰ってくることも。だから、言葉を発する時には慎重に、との御教えなのだと思います。

 

 

 ”言挙げせず”の意味は、「言葉にしない」といふのではなく、「簡単に口にはしないが、覚悟をもって発言する」といふことなのかもしれない。

言挙げすること - 相州藤沢 白旗神社